本のタイトル:資金300万から家賃年収1000万を生み出す極意 まずはアパート一棟買いなさい
著者の紹介:
石原博光
1971年生まれ。95年に米国の大学を卒業後、97年に東京の商社に勤務。本業は自営業で、化粧品の輸入販売や、プロテインのメーカーをしている。2004年に千葉県旭市に初めてアパートを購入し、2011年時点(本の発行日)で7棟72世帯を経営し、年間家賃年収5000万円を達成、
本の全体像:
今までの不動産投資に関連する本の中でも、一番初心者向けであり、内容も簡潔で構造化されていてわかりやすい。もし誰かから不動産のいい本を教えてと言われたら、この本を紹介する。
投資手法としても王道の投資方法であり、不動産投資の初心者が0ベースで不動産について勉強するのに適しな内容となっている。
Takeaways:
1. 今では72世帯のオーナーだが、最初の一歩はかなりの勇気が必要だった
僕はもともとすごく怖がりです。だから「うまくいくわけない」と弱気になって、何度もやめようと思いました。でも怖がりだからこそ、リスクを減らして確実性を高めるために、必死で勉強し、試行錯誤してきました。
2. 不動産投資はミドルリスク・ミドルリターン
お年を召された方はよく不動産を「千三つ」などと言ったりします。物件は数あれど、辺りは3/1000しかないという意味で、手を出すのはそれほど危険だという事。しかし本当に不動産投資は株式投資やFXよりリスクが高いのでしょうか。僕は不動産投資を始めて6年で年間5000万円の家賃収入を得るまでになりましたし、周囲のオーナー仲間たちも成功の程度は様々ですが、少なくとも毎月赤字で困っている人を見たことがありません。不動産経営では株式やFXと違い、短期間に資産が2倍3倍にはならない代わりに、どんなに不動産の価値が下落しても、ゼロにはなりません。
3. メリットはお金が借りられることと安全性
不動産投資の最大のメリットは、銀行などの金融機関からお金を借りて、つまり他人の資本で勝負ができるという事。
4. 株式から不動産投資に移行する人の心境
不動産コンサルタントとして相談を受けていると、30代で現金を1億円あまり持っている方もおられます。そのような大金をどうやって稼いだのかと聞くと、「株とかオプションで儲けました」という方が多い。しかし、「疲れるし、一緒やっていけるようなものではないから、不動産に変えて安定的にやっていきたい」と言う。実際に株式から不動産に移行する人の話はよく聞くが、不動産投資から株式に移行する話は聞いたことがない。
外資系金融トレーダーの場合、20、30代で一財を築いたらリタイヤする人が多いが、株やFXはそれだけ大変な世界だという事。
5. 自分の努力次第で利回りを上げられる
株やFXの場合、買った銘柄の価値を高めることは非常に困難です。不動産の場合、古びた物件でもリフォームをすることで不動産の価値を上げて、それがダイレクトに利回りに反映される。
6. 不動産は競争相手が少ない
僕が不動産投資が好きな理由として、株やFXよりもプレーヤーが断然少ないことが挙げられます。なぜ少ないかというと、単純に金銭的な参入障壁が高いから。また世の中には不動産関連の本や、週末にはセミナーが開かれたりと、不動産に関して関心が高い事は事実だが、それを実際に行動に移す人は100人に1人いるかどうか。
7. 不動産は自動操縦できる
不動産の場合、大家をサポートする体制が確立している。リフォームあkら管理まで、信頼できる業者を見つけてチームを作れば、自動操縦でチームに任せることができる。
8. 不動産投資の5つのリスク
- 空室リスク
- 風評被害リスク
- 流動性の低さ
- 取り扱う金額が大きい
- 人付き合いの下手な人には向かない
9. まずは一棟アパートから始めるべし
不動産投資本を読むと、投資初心者で自己資金の少ない人に対して、「まずは手軽な都内ワンルーム区分マンションから始めましょう」と書いてあるものがあります。ワンルームなどの区分所有であれば、500万~600万くらいから豊富に出回っているし、都心であれば客付には苦労しないと思う。それも一つのやり方として間違いではないが、将来の経済安定というレベルで投資をするのであれば、最初からアパート1棟を狙うべき。都心の区分マンションを増やしていくというやり方は、投資効率が悪いため。
お金持ちにはお金持ちの、持たざる者には持たざる者の戦い方がある。持たざる者はそのスタート雷雲から不利な状況なのであるから、月並みな戦い方ではダメ。取れるリスクは進んで取り、知恵を絞って努力することで将来を切り開いていく。やるなら最初から一棟アパートです。
10. 投資を始める前に戦略目的を設定すべし
もし「年金とは別に毎月10万円」でいいのであれば、家賃が6~7万の都心の区分マンションを2部屋程運営していけばいい。僕が考える経済的な安定が得られるレベルとは、「10年後に無借金で年間家賃収入を1000万円、市場価値数千万円の実物資産(不動産)所有すること」。
ステップとしては、
- 1500万円のアパートを一棟購入(利回り20%で満室年間収入300万)
- 次にもう一棟同じく1500万円のアパートを購入
- 2000万円のアパートを一棟購入(利回り20%で満室年間収入400万)
11. 狙うは地方か、都心の築古一棟アパート
狙いはずばり➀地方の一棟アパート、②都心なら築古の一等アパート
購入価格は1000万~2000万の間で、利回りは15%、できれば20%くらいを目標。
イールドギャップは最低でも12%
イールドギャップとは、利回りからローンの金利を差し引いた数字。例えば利回り20%の物件を金利5%のローンで買った場合のイールドギャップは15%。
12. マイホームの購入は基本的に後回し
「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざがあるように、「10年後に無借金で年間家賃収入1000万」という状態を望むのであれば、マイホームの購入は後回しにすべきだと僕は思います。なぜなら、物件を買っていくためには融資が必要ですが、金融機関はたとえマイホームの住宅ローンであっても、それを負債としてカウントするため、融資を引く際の足枷となるから。
13. 自己資金に最低300万円は用意する
1000万円~2000万円の物件を購入するためにどれくらいの自己資金が必要になるのか。僕の経験から得た感各地では、300万円です。これは最低ラインで必要と考えています。頭金の目安は1/10とすると、150万円を頭金、残りの150万円をその他諸経費で消えていく。購入後のリフォームは、別途リフォームローンを組んでやってもいい。僕の知人で2人合わせて年収450万円の夫婦は、1年間で300万円を貯めました。引っ越しをしたり車を売ったり、食費を節約したりしてためたとの事。これくらいはできるので、まずは最低300万円を貯めること。
14. 物件の探し方
物件は一千万単位の買い物なので、初めてふらっと入ってきたお客さんに、不動産屋が条件のいい未公開物件を教えてくれる可能性は低い。一棟目を買う人は、インターネットで探すのが効率的。僕の場合、一棟目を購入するまでは、毎日5時間はネットに張り付いて物件を探していました。
また投資家向けの物件サイトよりも、Home‘sやAtHomeといったサイトの方がチャンスはある。理由は、不動産投資向けのサイトとは、そもそも最初から不動産投資家向けというフィルターがかかっており、利回りが低く競争率が高い場合が多い。
コツとしては、まずは大手サイトで利回り順に並べ替えるのが効率的。しかし物件の数は多くないと思うし、その中にいい物件は少ないと思う。それが本当にいい物件ならとっくに売れているはずだし、残っているのには何かしらの理由があるはず。その問題が克服できるのであれば買う。逆にこちら側ではどうすることもできないマイナス面がある場合は、手を出さない。
また掲載日にも注目する。掲載して時間がたっている物件は、ずっと売れ残っているので指値や値引きのチャンスがある。
15. 買ってはいけない物件とは
・軟弱地盤の傾いた物件は絶対にNG 87P